森の中で全裸になり、好きな音楽を聴く

僕には一つ、夢がありました。

それをようやく、フィンランドで叶える事ができました。

その夢というのは、僕が愛する「Fishmans」というバンドのLongseasonという曲を北欧の夕暮れ時の森の中で、全裸になって聴くというものです。

この曲を初めて聴いた時の、世界がほろほろと崩れていくような衝撃と共に、
なぜか行ったこともない「北欧の森」で全裸でこれを聴いたらどうなるんだろうというあの時の純粋な疑問をずっと大切に持っていました。


今回の旅にわざわざ日本からテントを持ってきたのも、BOSEの大きいヘッドホンを持ってきたのはこのためでもありました。

ひろこさんにもフランシスさんにもあまり共感を得られなかったけど、オウル湖畔に滞在中に、リュックにテントと寝袋、お菓子とビール、そしてFishmansのlongseasonの過去のライブ版まで全部入ってたipodを握りしめて、ひたすら森の奥へと歩いていきました。
(4月に熊が出たらしい)

↑これが見えた時は完全に熊だと思ってちんちん縮こまった。
靴下も腕時計も外して全裸になる。

Longseasonをかける。

全裸で森の中を歩いてみる。

白樺の木に抱きついてみる。

森の風が髪をなびかせて、背中をくすぐる。

あの瞬間、佐藤くんは未来のこの時この瞬間のためにLongseasonを作ったのかという壮大な幻が、まるで自分の手中に入ったかのように現実的に感じられ、それは血液に染み込んで全身に巡るような感覚に浸った。

僕はこういう人間だった。あれは僕の、僕だけのフェスだった。

朝になるまでずっと聴いてようと思ったけど、気づいたら全裸のまま寝ていた。

服を着てテントを畳み、朝の木漏れ日をログハウスに戻る道中が、まるで昨日とは別の惑星のように感じた。

「なんとなく思ったこと」は、そしてそれがやろうとすればできるような簡単な事なのであれば、
それがどんなにくだらなく思われようとも、周り理解されずとも、だからこそ価値があるわけで、
命ある限りひとつでも多く、やってみたい。

この世に存在する、自分だけにしかにしか感じる事のできない自己の深淵を震わす何かをもっと感じたいと思います。