DAY.20 - 3 Lahti 再会 ヒッチ 野宿


【現在「旅をしながら集めた生地で服を仕立てる」というクラウドファンディングに挑戦中です】
2018/08/06

この30年で最も衝撃的な出会いに、ともにビールを飲んで別れた後にどうやってバスに乗ったのか、覚えていない。

とにかくまあ、HelsinkiからLahtiへと向かった。
1時間だったか2時間だったか。覚えてない。

Lahtiに来たのは尾道で会ったこの男に会うためである。
トニーヤウヒアイネン!

彼が尾道に長期滞在していた時に出会い、僕が旅に出たと知るとすぐに連絡をくれた。

おおおー!!という感動の再会の直後に「まあまた来月尾道行くんだけどね」と言われて微妙に冷めながら、彼の車に乗っていろんなとこに連れてってもらう。

正直ずっと話してて、なぜか池の画像しかとってなかった。
綺麗な池でした。

その他Lahtiの教会や、ばかでかい公園など車でいろいろ連れてってもらったのだが、何よりも車中から見える外の景色に北欧を感じる。

広大な土地、無限に続くかのような細長い針葉樹の森。
ムーミンもサンタも、確かにこの国でなら自然なイメージができる。

そして車に揺られながら、この日の宿をどうしようか考えていた。

今朝はタリンの空港で目覚め、フェリーにのり、初の北欧上陸、脳しんとう寸前の奇跡の出会いからラフティに来て、もうすでにいろいろありまくりの今日だったが、
なんだか今日中に、行けるところまで北上したくなってきた。

トニーも家に泊まっていいと言ってくれたが、なんだかケツに火がついていたためにヒッチハイクのポイントになるようなところで降ろしてもらう。
(写真byトニー)

ラトビアでの1発止め連続の成功事例もあり

「10台以内に停める」

と息巻いていたが、そういう事を言うと全然とまってくれない。

30分経過、そして気づいたら1時間経過しても止まらず、上げ続けた親指が痙攣してきた。

中には車の中から中指を立てて見せてくる男や、止まってくれたと思って走り寄って行くと運転手の女の人に「ちげーよあっちいけ!」的な事を言われたり。

まあ運が悪かっただけだと思うが、世界一幸せな国って言われてるからといっていい人しかいないってわけではないらしい。(そりゃそうだ)

そんな感じで止まってくれる気配もないまま、若干意地になってヒッチを続け、2時間になろうとしたくらいでやっと一台とまってくれた。

しかし南のヘルシンキの方へ下るらしく、僕は北上したかったのでご遠慮した。

「ありがとう。1時間半であなたが唯一止まってくれて嬉しかった」

というと申し訳なさそうに笑いながら「いい旅になる事を祈ってるよ」と言ってくれた。

とても優しい目をした両腕にビッシリとタトゥーが入った若い兄ちゃんだった。

彼が止まってくれた事で気持ちが救われた。

そしてトニーがネットでバスを検索してくれたらしく、ちょうど乗り場もすぐ近く、時刻も30分後だというのでもうそのバスに乗ることに。

北欧はヒッチハイクが余裕でいけると漠然と思い込んでいたが、惨敗に終わった。

行き先はKuopio。
21時発で4時間半の乗車。

ということで到着は深夜1時半になるが、まあ、なんとかなるだろう。

バスが動き出すと同時に、爆睡。

25時半に運転手に起こされる。

すでに乗客は僕だけ。外は暗闇、そして豪雨が降っていた。
少しでも歩けばびしょ濡れになるほどの雨を、バス停の小さな屋根の下に立ち尽くしてただただ茫然と眺める。

なんだか笑えてきた。

僕は今北欧フィンランドの、クオピオとかいう聞いたこともない田舎街に夜中の1時に1人降ろされて、
外は豪雨が降っていて歩く事もできず、暗闇の中ただただ雨を眺めている?

なんて自由なんだろう。これが本当の世界なら。

1時間ほどただぼーっと雨をみていると、弱くなったので歩き出す。
適当な公園の、適当な屋根のある場所の下にテントを張り終えると同時にまた雨が強くなる。

テントで横になり、屋根に打ちつけるどしゃ降りの雨の音を聞いていると、

昼間のヘルシンキでの出来事がようやく現実の事として受け入れられてきた気がしてきた。

旅に出てよかった、

そういう事だ。簡単に言えば。

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井出雄士
Instagram / @maruigeta

フィンランド、オウル湖畔にて