DAY.20 - 2 フィンランド上陸

【現在「旅をしながら集めた生地で服を仕立てる」というクラウドファンディングに挑戦中です】

2018/08/06
8時、定時に出航。
ユーラシア大陸が離れていく。
甲板の先に並ぶソファのど真ん中に座り、2時間半、ずーっと海を見ていた。
船っていいですね。

かつて大阪から鑑真号で上海に行った時を思い出していた。
あの頃の僕は「貧弱」を絵に書いたような青年で、出航と同時に離れていく日本という住み慣れた安全な国が、名残惜しくてたまらなかった。
心の中の行けという声と、やめとけ無理だからという両者の声で頭の中でいっぱいになり、その時もとりあえずチケットだけを取った。
ガタガタに震えるほどビビりながら。


こんな感じで、人をセンチメンタルにさせる何かが船にはある。

10:30、無事にフィンランドはヘルシンキに上陸。

ユーロなので両替の必要もなく、チケットを買ってトラムに乗る。

ヘルシンキの滞在時間はたった2時間。
14時のバスに乗ってLahtiという町へ向かう。

トラムに乗って適当な中心街で飛び降り、初めての北欧の町を歩く。

そしてこの時、2018年8月6日12:30。

僕の人生で最大の出会いがあった。

この衝撃と、それが僕にとってどれだけ凄まじい偶然の出来事であるかは文字で伝えられる範疇を優に超えてしまっているので、詳細あえて書かず、端的に記しておく。

17歳の時、装苑11月号の1ページに載っていた写真を見たあの瞬間から僕の永遠の憧れであり、目標であった人が、通りの向こうから歩いてきたのだった。

偶然とはどういう意味なのだろう。必然という言葉は、それとどう違うのか。

ビールを飲みながら話した、あの時間は死ぬまで忘れない。

なぜ今この旅に出た方がいいと思ったのか、いや、「旅に出ない方が不自然だ」とあの時感じたのか、それはいつも旅に出た後に判明する。先に教えてくれた事は一度もない。

紆余曲折しながらも歩んできたこの道は、とりあえず間違ってはいなかったことが、この日あの瞬間をチェックポイントに判明した。

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井出雄士
Instagram / @maruigeta

フィンランド、オウル湖畔にて