いでずぼん ‘14


いでずぼんはぼくが海外を放浪している時にデザインしたジーンズのラインです。


2013年春、フランスから陸路でのユーラシア横断の旅を終えて韓国から船で日本に帰国したぼくは、旅中に描きためていたデザイン画持ち、

単身でデニムの世界的産地である備後地方(尾道)へ飛び込み、長年想い描いていたジーンズの具現化のための製作を開始しました。


デニムはおろか服が作られる工程すらわからない状態から手探りでの製作をはじめ、

福山市、井原市、倉敷市などに点在するデニム工場のドアをまわり、生地、裁断、縫製、パターン、洗い、付属といった各職人さん方に現場で教えを請いながら少しずつ製作は進んでいきました。


「群馬からデニムを作りに来ました」


まるで無知で素っ頓狂な事を言うぼくを、みなさんが暖かく受け入れてくれました。


理想の生地、理想のフォルム、理想の洗いを追求し、製作期間は伸びに伸び、気づけばサンプル二型を作るのに半年以上をかけていました。


その後、いでずぼんのデザインの芯となる、ビビッドな光彩をデニムに載せるイメージのためには、塩素とプリントの知識が不可欠ということが判明し、最後は塩素を使ってデニムの生地の表面の色素を真っ白に抜くという実験を独学で習得しました。

「製品として出来上がったデニムに、最終工程で塩素を塗る」などというハイリスクな加工を代行してくれる業者が見つからなかったため、自分でやる以外に選択肢がなかったのです。


当初3ヶ月くらいあればできるんじゃないかという甘い考えで尾道にやってきましたが、結局完成までに約一年半を費やすことになりました。


そんな第一期となるいでずぼんは2014年秋に、念願叶って完成しました。


「新しい服は新しい手法を踏まない限り生まれない」
川久保玲のその言葉が真実である事を骨身に沁みて痛感した、初めて製作した服となりました。



現在オーダーはお受けしておりません。
 
-いでずぼん ‘14
-